手首の痛み~小指側の痛みの原因は?
手首の小指側が痛い、これは腱鞘炎なのかな?と思う方は多いのではないでしょうか。
ドアノブを回す時
ハンドルを切る時
ゴルフで構える時
などに手首の小指側が痛む。
これは、腱鞘炎ではなくTFCC損傷という症状なんです。
では、このTFCC損傷という症状の原因は何か?そして対策はどうすれば良いのか。
●TFCC損傷の症状
そもそもTFCC損傷とは何か?というと、三角線維軟骨複合体損傷のことです。と言っても、専門用語なのでよく分かりませんよね。
簡単に言うと、手首の小指側にある靭帯や軟骨が傷ついている状態のことです。
手首のこの部分の靭帯です。

もう少し詳しくは・・

この辺りが痛みの出やすい部分です。この部分に複数の靭帯や軟骨がありそれらが損傷しているため手首を動かすと痛むという状態になっています。
●TFCC損傷の原因
この症状の原因は複数あるんですね。
ではなぜ損傷するのか?
この理由はいくつか考えられます。
主に・・
・ケガ
・使い過ぎ
・加齢
ケガとは、例えば転倒して手首をついた場合などです。
使い過ぎに関しては、簡単な例を挙げるとスポーツです。
テニスやゴルフといった手を使うスポーツを長年継続しているような場合、軽い負荷がずっと手首にかかり続けることになります。
その結果、靭帯や軟骨が損傷し結果として手首の小指側に痛みが出るという状態ですね。
加齢に関しては、年齢に伴い軟骨が変性してしまったためと考えられます。
●もう1つある手首の小指側が痛くなる原因
先ほど挙げた原因意外に実はもう1つ原因があります。
それは、腕の筋肉です。


☆尺側手根伸筋と尺側手根屈筋・・・この二つが協力して手首を小指側に曲げます(尺屈)
この筋肉は、手首を小指側に倒す時に働きます。
日常の動作では、ドアノブを回す、テニスでボールを打つ、ハンドルを回すといった時に作用する筋肉です。この筋肉が硬くなってしまうとTFCC損傷のような痛みが出ます。
●TFCC損傷の改善法
手首の小指側が痛む場合の対処法についてお伝えしていきます。
手首の痛みを改善するための方法はいろいろあります。症状自体が長く続いており、何をやってもダメな場合やかなりひどい場合は手術も考えられますが、多くの場合は保存療法やその他の方法で対応できます。
・保存療法
基本的には保存療法から始めます。
痛みの程度がかなり強い場合は装具やサポーターによる固定が必要な場合もあります。
・湿布
夜間などにズキズキとうずくようなら湿布を貼るのも有効です。かぶれに注意しながら、やや広い範囲で貼るのがおすすめです。
・腕の筋肉が原因の場合にはトリガーポイント療法
では、筋肉が原因の場合はどうすれば良いか?というと、硬くなった筋肉が手首の痛みの原因になっているわけですから、その筋肉がやわらかくなれば良いということになります。
そのための方法の1つとしてトリガーポイント療法があります。
「トリガー」というのは文字通り「引き金」という意味で、ピストルの引き金を引くと、弾が遠くまで飛ぶように、トリガーポイントを押すと痛みをそこから離れた部位で感じる事から名付けられています。これは神経の走行とは関係のない所で痛みを感じるため、「神経痛」ではなく「関連痛」と呼ばれています。

(トリガーポイント疼痛パターンより。×がトリガーポイントの位置。赤いところが痛みの出る領域)
筋肉に対して施術をする療法で、硬くなり痛みの原因になっている筋肉をやわらかくすることを目的としています。
この療法により、筋肉がやわらかくなることで手首を動かしても大丈夫になるということですね。
この部分の硬くなっている筋肉のしこりなどをご自身でマッサージしてみるのも良いでしょう。
●手首の小指側が痛む場合の注意
TFCC損傷で手首の小指側が痛む場合に、気を付けて欲しいことをいくつか挙げておきます。
無理に使い過ぎないように安静を心掛ける
痛みが出るような動作は控える
痛みを放置しない
TFCC損傷の原因として、手の使い過ぎということがあります。
軽い負担でも長期間かかり続けてしまうと痛みになってしまいます。ですから、痛みが出るようになってしまったら無理をせず、可能な範囲で安静を心掛けてください。
また、痛みが出るような手首の動作は控えましょう。
痛みの初期は軽い痛みなので「そのうち治まるだろう」と思いがちです。
ですが、早めの治療がやはり良いですよね。ですから、数日から1週間も痛みが続くようなまずは病院を受診しましょう。
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