皆さんは「ヒュッゲ」という言葉を聞いたことがありますか?
幸福度が高いと言われるデンマークの言葉で「居心地がよい」「快適」「陽気」といった様子を表します。欧米諸国では、この「ヒュッゲ」にならって、快適な時間を過ごそうというのが新たなブームとなっています。
日本は治安もよく物質的にも豊かで、世界的にみると恵まれている環境ではあるが、幸せを「心から実感」していると答えられる人は日本でどれだけいるでしょうか?
今回は、世界幸福度ランキングの上位でもあるデンマークの「ヒュッゲ」から幸せのヒントを学び、日本の生活の中に上手く取り入れられないかを考えてみました。
ヒュッゲを感じるためのヒントや、ヒュッゲのあり方や考え方、日本に居ながら幸せを感じる感性を養う方法、ヒュッゲな暮らしをするためのポイントなどをご紹介していきます。
ライター:木村マイコ
ヒュッゲとは?
「楽しい時間」「居心地が良い空間」を指す言葉で、デンマークに暮らす人たちが大切にしている「心の持ち方」を表す言葉です。
内面的に満たされる
デンマークの人々は、物質的な満足よりも、人とのふれあいやリラックスした時間など、内面的に満たされることを大切にしています。家族や友人同士で集まったり、ゆったり過ごす、など、心地良く感じる時間を楽しんだり、そのための土台づくりや雰囲気づくりなどで環境を整えることを「ヒュッゲ」と呼んでいるようです。
「ほっこり」「まったり」に近い感じ
「ほっこり」や「まったり」という言葉のニュアンスに近いかもしれませんね。例えば、雪が降る寒い冬の夜に、コタツに入ってみかんを食べながら家族と談笑している時間もヒュッゲと言えるでしょう。
様々な場面で感じるヒュッゲ
ヒュッゲは日常の様々な場面で感じることができます。例えば、好きなモノに囲まれる、ほのかな明るさのなかで過ごす、毛布にくるまってリラックスして過ごす、温かいコーヒーを飲みながら会話を交わす、など、一見、小さな幸せのように感じるかもしれませんが、日々のなかで幸せを積み重ねていくことこそ、ヒュッゲの本質です。
では、日常生活におけるどのような場面にヒュッゲを感じる事ができるでしょうか。
家族とのんびりと夕食をとる、コーヒーを飲みながら友人たちと映画を見る、飾った花を眺める、自転車で颯爽と走る、大好きな人と一緒に時間を過ごす、などといったシーンが挙げられ、日本語では、「まったり」や「のんびり」に近い言葉だとよく定義されます。
ヒュッゲを楽しむ際に大切なこと
では、ヒュッゲをより楽しむ際の大切なポイントをいくつか紹介します。
家族や友人との時間を大切にする
デンマークの人は家族で過ごすことや友人・ご近所との繋がりをとても大切にしています。時には家に人を招いてホームパーティーを開くこともあります。日本だと、鍋パーティーやたこ焼きパーティーや手巻き寿司、バーベキューなどで食卓を囲むのが身近な楽しみ方かもしれませんね。デンマークでは、ゲストも一緒に、料理を作ったりおもてなしをするところから参加するのが一般的です。ありのままの自分を見せることが、素の付き合いに繋がるという思考のデンマーク人。ホームパーティからも無理をしない姿勢が垣間見れます。日本人も、気張りすぎずに和気あいあいとするくらいがいいかもしれませんね。
ミニマムに暮らす・物を大切にする
デンマーク人はミニマリストで、初めから必要性を感じないものは持ちません。一方で、本当に必要なものには、お金を惜しむことなく手に入れるそうです。これは、家の中にもあらわれています。デンマークの家屋の広さは日本の家と同じくらいですが、最小限のものしか持っていないのでスッキリと広く感じます。結果、こだわり抜いたお気に入りの物に囲まれた家になります。大切に使うことで愛着も湧き、心地いい空間が生まれます。また、気に入った物は代々受け継いで使うことも多くあります。物を大切にする姿勢からも「ヒュッゲ」を感じることができます。日本でも毎日使うものは、じっくり選んで長く愛用する姿勢を見習いたいですね。今よりも、「もっと欲しい!」と欲を出すのではなく、近くを見渡して、今あるものに愛着を持って自分を満たしてあげましょう。
自然を身近に感じる
デンマークは、冬の期間が長いので、夏の期間に外の生活を楽しむ傾向にあります。ピクニックやバーベキューで自然を身近に感じながらヒュッゲな時間を過ごしたり、自転車に乗って風を感じながら通勤や通学をする人もいるそうです。日本でも自然を身近に感じる工夫は色々とできそうですね。都心住まいで自然が身近にないという環境の人は、家の中に季節の花や緑を飾ってみてはいかがでしょう?
心地いい空間作りを心掛ける
日本ならではの心地いい空間と言えば、和室・畳スペースではないでしょうか? 和の雰囲気、い草の香り、裸足で感じる畳の感触、いつでもゴロンと横になれる場所など、それらは日本人だからこそ感じる心地よさとも言えます。意識して和室を楽しんでみるのもおすすめです。ヒュッゲな時を過ごせるよう、家具や家具の配置、照明の明るさを工夫し、自分だけのヒュッゲな空間をつくってみてはいかがでしょうか。家具を買い替えることは難しいかもしれませんが、アロマキャンドルなどの小物を加えることなら比較的手軽にできると思いますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
仕事に縛られない・時間の流れを意識する
デンマークの人はワーク・ライフ・バランスを取るのが非常に上手です。 お金や出世のためよりも、自分の「好き」「幸せ」のために仕事を選び、自主性を持って働いている人がほとんどです。
多くの日本人は、「生活のため」に仕事をしているかと思います。もし仕事で身も心もくたくた…という人は、ほっと一息つきながら自分の働き方について考えるといいかもしれません。常に自分は何をしたいのかを考えることで、日々の幸せに気づくかもしれません。自分の時間をゆったりととれれば、心にも余裕が生まれ、時間の流れを意識しながら生活できるかもしれませんね。また、日本には四季があります。それにちなんだ風習、例えば七夕、お盆、お月見など、その時期の飾りを置いてみるなどで、季節の移ろいを感じてみるのもいいかもしれません。
今あるものに感謝する
デンマークの人たちは、今あるものに感謝する能力が優れています。そして、今の状況に満足している人が多いそうです。モノや評価を得ることによる満足ではなく、今置かれている状況や環境を認め、日常の何気ない時間を愛おしく思う、ちょっとしたことにも感謝の気持ちを持つ、そんな心のあり方が幸せに近づく一歩かもしれません。
まとめ
日々の暮らしで幸せを感じるヒント、今回はデンマーク流の幸せの作り方「ヒュッゲ」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
「幸せ」と聞くと、大それたことに聞こえるかもしれませんが、まずは、日常のふとした瞬間に意識を向け、幸せや喜びをを感じる瞬間を大事にすることを心がけてみませんか? ヒュッゲの考え方を取り入れて、人生を豊かなものにしていきましょう!きっと、何気ない小さな心掛けや工夫で毎日幸せな気持ちで過ごすことができ、人生の幸福度を高めることができます。現代社会において、ヒュッゲの考え方は、心を豊かに保つために取り入れるべき思想です。
ただ、紹介した事すべてを実践しようとすると窮屈に感じてしまうかもしれないので、今日からできる簡単なものから取り入れてみてください。
日々の忙しさのなかで、自分を十分にケアしてあげられなかったり、心躍る瞬間が無かったりすることもあります。そんな時にこそ『ヒュッゲ』を意識して何気ない日常と向き合うだけで、心が安らぎ、やさしい気持ちになれます。
毎日の喜びは、シンプルな幸せで満たされるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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